Poker TDAは、2001年に設立されたポーカー業界の任意団体である。ポーカートーナメントルールの世界的な統一性を高めることが使命である。Poker TDAルールは、ハウスルールを補足する。ハウスルールとの競合があったときは、ハウスルールを適用する。
意思決定における最優先事項は、ゲームにおける徹底した利益と公平性である。通常とは異なる状況では、公平性を考慮した常識的な決定が、技術的なルールよりも優先されることがある。フロアの決定は最終となる。
プレイヤーは、レジストレーションデータおよびシートの割り当てを確認し、ハンドをプロテクトし、自身の意図を明確にし、アクションを追い、順序にそって適切な用語とジェスチャーを使ってアクションし、アクションを起こす権利を守り、カードを見えるようにし、チップを正しく積み、ライブハンドを持っているときは着席状態を保ち、ショーダウンのときはすべてのカードを適切に開示し、ミスがあるときは口頭で指摘し、正当なときにはクロックを要求し、速やかにテーブル移動し、他人と相談せず(ワンプレイヤーワンハンド)、ルールを習得した上でそれを順守し、適切なエチケットを守り、トーナメントの全般的秩序維持に貢献する責務を負う。
ベットの公式用語は、シンプルかつ明白で由緒ある宣言である、ベット、レイズ、コール、フォールド、チェック、オールイン、コンプリート、ポット(ポットリミットのみ)である。地域の用語も、この基準を満たすことがある。また、プレイヤーがアクションに直面したときは、ジェスチャーの使用に注意する必要がある: テーブルへのタップはチェックとみなされる。それらの意志を明確にすることはプレイヤーの責任である。標準的ではない用語やジェスチャーの使用は、プレイヤーのリスクであり、プレイヤーの意図しない判断につながる可能性がある。第2項と第42項も参照。
プレイヤーの衣服またはそのほかの携行品は、そのプレイヤーの本人確認を不明瞭なものにしたり、ゲームの妨げになるものであってはならない。ハウスの定める基準がTDの判断にのみ従って適用される。
テーブルでの通話は禁じられる。呼び出し音や音楽、画像、動画、そのほかは、ほかの人に聞こえないよう、かつ邪魔にならないようにするべきである。ベッティングアプリやチャートなどは、ライブハンドを持つプレイヤーは使用してはならない。そのほかの機器や道具、写真撮影やビデオ撮影、通信は、迷惑とならず、ゲームを遅らせず、競争上の優位性にならないようにし、ハウス規則およびゲーミング規制法に従うものとする。
ハウスは、テーブルで認める言語を明確に掲示しアナウンスする。
トーナメントとサテライトの席は、ランダムに割り当てる。プレイヤーが正しいチップを持ち、誤った席で開始してしまったときは、今の合計チップを持って正しい席に移動する。
特別な支援が必要なプレイヤーには、可能な限り便宜が図られる。
ブレイクするテーブルのプレイヤーには、2段階のランダムな手順により新しいテーブルと席が割り当てられる。彼らはSBとボタンのあいだをのぞいた、SBまたはビッグブラインド(BB)、ボタンを含む、どの席にも着くことができる。追補例解を参照。
[ファイナルテーブルのプレイヤー数に関するルールは、推奨手順 RP-9に移動]
勝敗は(ハンドの内容に関する口頭での宣言に関わらず)カードスピークにより決定する。ハンドの価値を口頭で宣言する義務はないが、意図的にハンドを誤って宣言したときは、ペナルティーが課せられることがある。ディーラーは、ショーダウンでハンドの強さを読み、アナウンスすべきである。すべてのプレイヤーは、ハンドの有無に関わらず、役判定やポット計算、ポットの授与のミスを発言すべきである。
開示されなかったカードを捨てても自動的にキルされない。カードが100%識別し取り戻すことができるときは、プレイヤーは考えを変えることができる。カードがマックの山に入れられたり、取り戻せなくなったり、特定ができなくなったときは、ディーラーによってそのカードはキルされる。
誰かがオールインし、ハンドに参加中のすべてのプレイヤーのすべてのベッティングアクションが完了すると、すべてのハンドは遅らせることなく開示される。オールインをしたプレイヤーも、コールをしたプレイヤーも、ハンドをマックすることはできない。メインポット、サイドポットに参加中のすべてのハンドは、開示されなくてはならず、すべて有効である。追補例解を参照。
ボードプレイをするとき、プレイヤーは、ハンドをすべて開示しないとポットの一部を獲得することができない(第13項-Aを参照)。
まず端数チップは、そのとき存在する最も小さいデノミで分けておく。A) ボードゲームで2つ以上のハイハンドやローハンドがあるとき、余ったチップは、ボタンの左側から見て最初のプレイヤーに与える。B) スタッド、ラズ、スタッド/8で2つ以上のハイハンドやローハンドがあるとき、余ったチップは、スートの強弱を含む最も強い5枚のハイカードプレイヤーに与える。C) ハイロースプリットでは、ポット全体の端数は、ハイに与える。D) ハイもローも全く同じとき(例: オマハ8におけるウィール)は、ポットを可能な限り公平に分ける。追補例解を参照。
サイドポットはそれぞれ別々に分ける。
開示されたハンドの判定は、次のハンドが始まるまで異議をとなえることができる(第23項を参照)。ポットの計算や授与でのミスは、次のハンドで実質的なアクション(SA)が起こるまで異議を唱えることができる。ハンドが休憩時間に入ってから終了したときは、異議を申し立てる権利はポットの授与から1分で消滅する。
新しいレベルは、クロックがゼロになったあとにそれがアナウンスされたときから開始される。その次のハンドから新しいレベルが適用される。ハンドは、最初のリフル、オートシャッフラーのボタン押下、ディーラー交代のタイミングで始まる。もし前のレベルでのハンドが誤って開始されたときは、SAが起きていれば前のレベルでハンドは継続される(第36項)。
デックチェンジは、ディーラーの交代またはレベルアップのとき、もしくはハウスの指定通りに行う。プレイヤーはデックチェンジを要求できない。
プレイヤーは、ハンドをプレイせずにやり過ごしてはいけない。新しいハンドの前にリバイの意思が表明されたとき、そのプレイヤーは、チップが後ろにあるとしてプレイし、リバイをしなければならない。
ラビットハンティング(ハンドが終わっていなければ来ていたカードを明らかにすること)は、認められない。
プレイヤーは、妥当なゲームのペースを維持するためにも、タイムリーにアクションを起こすべきである。TDの判断による妥当な時間が経過したとき、TDはクロックを宣言したり、そのイベントに参加しているいずれかのプレイヤーによるクロック要求を承認できる。プレイヤーがクロックを要求するためには、自分のシートに着席していなくてはならない(第30項)。クロック要求をされたプレイヤーは、25秒とそれに続く5秒のカウントダウンのうちにアクションを起こさなければいけない。そのプレイヤーが、ベットに直面した状況で時間が経過したとき、デッドハンドとなる。ベットに直面していない状況であるとき、ハンドはチェックしたものとみなす。ちょうどのタイミングのとき、プレイヤーのアクションが認められる。TDは、ゲームのフォーマットに合わせるためや常習的な遅延行為を阻止するために、アクションまでの時間を調整したり、別の手続きをとることも認められる。第2項と第70項も参照。
プレイヤーがライブハンドを持つためには、最初のディールですべてのプレイヤーに最後のカードが配られたときに、席にいる必要がある。そのとき席についていないプレイヤーはハンドを見ることはできず、キルされる。そのプレイヤーのブラインドとアンティはポットに入り、スタッドタイプのゲームではブリングインのカードが配られたとき、ブリングインをポストしなければならない。プレイヤーがクロックを要求するときは、着席している必要がある。「席に着いている」とは、椅子に手が届く範囲にいることを意味する。本ルールはプレイヤーに対して、ハンドの参加中に席を離れることを推奨するものではない。
ライブハンドを持つプレイヤー(オールインしているプレイヤーや、ベットの機会がないプレイヤーを含む)は、すべてのベットラウンドとショーダウンが終了するまでのあいだ、テーブルにいなければならない。テーブルを離れることは、ハンドをプロテクトし、アクションを追うことと相容れない行為であり、ペナルティの対象となる。
トーナメントプレイにおいては、デッドボタンを使用する。
意図的にブラインドをかわすプレイヤーは、ペナルティを負う。(排除: テーブルブレイクから移動するとき)
ヘッズアップでは、SBをボタンとし、プリフロップでは最後のカードが配られ、最初にアクションを起こし、以降のベットラウンドでは最後にアクションを起こす。ヘッズアップを始めるとき、どちらのプレイヤーもBBが2回連続とならないようにボタンの位置を調整する。
SAとは、A) 少なくともどちらか片方がチップをポットに入れる、2つの順序にそったアクション(例:「2人がチェック」「2人がフォールド」以外の、任意のふた続きのアクション)または、B) 順序にそった3つのアクションの組合せ(チェック、ベット、レイズ、コールやフォールド)をいう。ブラインドをポストすることは、SAの遂行とはみなさない。第35項-Dおよび第53項-Bを参照。
通常よりも少ない枚数しか配られなかった、ボタンのプレイヤーは、そのことをすぐに報告しなければならない。配られなかったボタンのカードは、行われているゲームタイプが許すときには、SAが起こったあとでも配ることができる。しかし、カードの枚数が少ないまま、ボタンのプレイヤーがアクションを起こしたとき(チェックやベットをしたとき)、それはデッドハンドとなる。
バーンカードは、スタブをプロテクトするために使用されるもので、カードの順序を守るためのものではない。SAが起こり、誤った枚数のカードのせいでキルされてしまったとき、キルされたすべてのカードはマックされ、以降のディーリングには偶然性が適用される(推奨手順-14: 特別な状況ではランダム性が適用されるときがあるを参照)。そのスタブは、通常のスタブとして取り扱われ、以降のそれぞれのストリートに対して、スタブから1枚だけ、バーンがされる。
フロップのカードが3枚ではなく4枚になったとき、それらカードが表になっているかどうかに関わらず、フロアが呼ばれる。ディーラーは4枚のカードを裏返しにして混ぜ、フロアが無作為に、その中のカードを1枚、次のバーンカードとして選び、残りの3枚をフロップのカードとする(推奨手順-14: 特別な状況ではランダム性が適用されるときがあるを参照)。こうした、早くディールしてしまったカードの取り扱いは、推奨手順-5を参照。
標準的な、許容されるコールの方法は、A) 「コール」と発声するB) コール額と同額のチップを出すC) 宣言せずにコール額以上のチップ1枚を出すD) 複数チップベットルール(第45項)に従い、宣言せずにコールと同額の複数チップを出す。ベット額と比較してかなり小さな額のチップを出す(例: NLHEで、ブラインドが2000-4000。Aが50000のベットしたあと、Bが1000のチップを1枚出す)ことは標準的でなく、とても推奨されない行為であり、ペナルティ対象となる。フルコールとみなすかも含め、TDの裁量で解釈される。
ノーリミットまたはポットリミットで、レイズは、A) 一回の動作で、全額を前に出すB) チップを前に出すより先に、口頭で総額を宣言する(C: 2モーションレイズは排除された)自らの意思を明確に示すことは、プレイヤーの責任である。
ベットやブラインドに際したプレイヤーが、1枚の大きな額のチップ(最後のチップを含む)を1枚前に出したとき、レイズが口頭で先に宣言されなければコールとみなす。1枚の大きな額のチップでレイズをするとき、チップがテーブルに触れる前に宣言しなければならない。レイズが宣言されたが、額が宣言されなかったときには、そのチップで認められる最大額がレイズ額となる。ベットに相対していないとき、宣言なしにポットにチップを投入すると、そのチップに認められる最大額のベットをしたこととなる。
ノーリミットとポットリミットでは、レイズの回数に制限はない。リミットでは、イベントの残りプレイヤー数が2人に減るまでは、ヘッズアップのときでさえレイズ回数が制限される。制限される回数は、ハウスが定める。
ポーカーは、油断なき警戒と継続的観察のゲームである。コールの前に、相手の正しいベット額を判断するのは、他人に何を言われたとしても、そのコーラーの責任である。そのコーラーがカウントを要求したものの、ディーラーやほかのプレイヤーから誤った情報を与えられ、その額のチップを差し出すかコールを宣言したとき、コーラーは完全な正しいアクションを受け入れたとみなされ、本来の正しいベット額やオールイン額へとそれを訂正しなければならない。すべてのとき同様、TDの裁量により、第1項が適用されることがある。推奨手順-12も参照。
ベットに直面していないプレイヤーが、A) 「コール」と宣言したとき、それはチェックとなりB) 「レイズ」と宣言したとき、少なくともミニマムベットとなる。ベットに直面したプレイヤーが、「チェック」と宣言したとき、コールまたはフォールドとなるが、レイズはできない。
ストリングベット/レイズの判定は、ディーラーが行う。
非公式なベット用語やジェスチャーは、プレイヤーのリスクのもとで使わなければならない。これらは、プレイヤーの意図する意味以外に解釈される可能性がある。また、宣言されたベットのサイズが法的に複数の意味を持つとき、ベットをする前のポット額*以下の範囲で考えられる最も高い合理的な額と判断される。例: NLHEで、ブラインドは200-400。ポットが5000未満のとき、ここで「ベット、5」と宣言したとき、それ以外に明確な情報がないとき、ベット額は500とみなす。仮にポット額が5000以上のとき、ベット額は5000とみなす。*ポットの額は、それまでに行われ、プレイヤーの前に出されている、ひかれていないすべてのベット額の合計である。第2項、第3項および第40項、第42項を参照。
最後のベットラウンドが終わるまでは、自分の番までのあいだにフォールドがないとき(チェックで回ってきたときや自分がポストフロップで最初にアクションを起こすプレイヤーのとき)に行う正しい順序にそったフォールドや、そもそも順序にそわないフォールドは、いずれもペナルティの対象となるうえ、そのフォールドは拘束力を持つ。第15項-Bを参照。
プレイヤー、ディーラーおよびフロアは、相手のチップスタックを合理的に見積もる権利がある(第25項)。プレイヤーはオールインベットを受け、なおかつ自分がアクションに直面したときに限り、より正確なカウントを要求できる。オールインしたプレイヤーにはカウントの義務はなく、要求に応じ、ディーラーまたはフロアがカウントをする。許容されたアクション(第49項)が適用される。チップスタックを見やすくカウントしやすくするためのルール(第25項)によって、カウントの正確性が大きく向上する。
お釣りを得るためのベッティングアクションを起こしてはならない。意図したベット額以上のチップを前に出すと、周りのプレイヤーを混乱させることがある。宣言せずに出されたチップは、すべてベットの一部とみなされるリスクがある。例: オープンベットが325であり、プレイヤーAが200のお釣りを期待して、525(1枚の500と1枚の25)を宣言せずに出したとき、これは複数のチップルール(第45項)により、650へのレイズとみなす。
Aがオールインし、あるプレイヤーがそれをコールしたあとに、隠れたチップが見つかったとき、そのチップが許容されたアクションの一部になるか、TDが判断する(第49項)。アクションの一部とならないとき、Aが勝ったとしてもそのチップ分は得られない。Aが負けたときには、そのチップ分を節約することはできず、TDは勝ったコーラーにそれを渡すことができる。
プレイヤーは、チップを見えない状態で保持、移動してはならない。そのプレイヤーは、隠したチップを没収、失格処分となることがある。没収されたチップは、ゲームから除外される。チップを移動するとき、必要に応じてラックやバッグを提供することを、TDAは推奨する。
遺失物のチップが見つかり、誰のものかが分からないとき、プレイから除外し、トーナメント用備品に戻す。
スタッドポーカーで、プレイヤーがアクション時にアップカードを取り上げたとき、そのハンドはデッドハンドとなる。スタッドにおける正しいマックは、すべてのアップカードを裏にし前に出すことである。
プレイヤーは、トーナメントにおいて常にほかのプレイヤーのことをプロテクトしなければならない。そのためプレイヤーは、ハンドに参加しているかどうかに関わらず:
ワンプレイヤーワンハンドを採用する。なかでも、特にこのルールでは、ほかのプレイヤー、アドバイザー、見学者に対して、ハンドを見せたり、戦略を議論することが禁止されている。
アクション保留中のハンドのエクスポーズは、そのプレイヤーが最後にアクションを起こすときを含めて、ペナルティの対象となる可能性があるが、デッドハンドにはならない。任意のペナルティは、そのハンドが終了したときから始まる。フォールドのときは、カードをテーブル上で低く出さなければならず、故意にそれをエクスポーズしたり、高く投げたりしてはならない。第66項を参照。
ポーカーは、個人のゲームである。ソフトプレイはペナルティとなり、そのペナルティにはチップの没収やイベントの失格も含まれる。チップダンピングやそのほかの様々な共謀も失格の原因となる。
エチケット違反は、第71項の強制的な執行の対象となる。たとえば、常習的なゲームの遅延、ほかのプレイヤーの身体やカードまたはチップへの不必要な接触、OOTの繰り返し、カードやチップを見えにくかったり数えにくい形での保持、ディーラーの届かない場所へのベット、罵倒行為、他者を不快にする体臭、および過度の私語を含むが、これに限らない。
TDA推奨手順は、エラーを減らしイベント管理を改善するための指針の提言である。この推奨手順は同時に、多くのバリエーションがある状況のために単一の共通的なルールでは対処できないときに適用する。このようなときの最も公正な裁定には、複数のルールを適用しすべての状況を評価することが必要になる。そのときに第1項は第一の指針となる。
オールインボタンは、プレイヤーが「オールイン」したことを、明確に示すものである。このボタンは(プレイヤーが持つよりも)ディーラーが預かっておくべきものである。プレイヤーがオールインしたとき、ディーラーはテーブルの残りのプレイヤーから見えるよう、そのプレイヤーの目の前にオールインボタンを置く。
ベットやレイズがされるたびに、そのチップから前のベット額を引くブリンギングは、ディーリングとしてよくないものである。ベットスタックを減少させることは、アクションに影響を与えたり、混乱を招いたり、エラーを増やしてしまったりする。(排除: カウントが必要であるとき以外は、ベットチップにディーラーは触れてはいけない)。アクションに直面するプレイヤーに限り、ディーラーにブリンギングを求めることができる。
テーブル上はチップスタックの管理、ディーリング、ベッティングのための重要な場所である。テーブルと近くのスペース(足元と通路)は、不必要な私物で散らかしてはいけない。各カードルームは、トーナメントエリアで許可される物を明確に表示するべきである。
配られるカードが残った段階で、スタブを誤って落としてしまい、順番が変わったと思われるとき: 1) まず可能であれば元々の順番に再構築することを優先する。2) 不可能なとき、スタブのカードだけを用いて(マックやそれまでにバーンされたカードを混ぜずに)新しいスタブを作る。そのとき、しっかりシャッフル、カットをして作った新しいスタブを使ってプレイを進行する。3) 落としたスタブが、マックやバーンカードと混ざったときは、マックやバーンカードと一緒にスタブをよく混ぜ、シャッフル、カットして作った新しいスタブを使い、プレイを進行する。
進行中のラウンドのアクションが終わる前に、誤って次のラウンドのボードやバーンカードが配られてしまうことがある。このとき、一般的な対処法は次の通りとなる。
テーブルブレイクやバランスのときのプレイヤーの移動は、ブラインドを逃したり、ゲームが遅れないように迅速に行われなければならない。可能なら、チップの持ち運びはラックが用いられるべきである。プレイヤーが不必要に大量のチップを持ち運ぶことがないよう、チップのカラーアップを十分に行わなければならない(第10項、第11項、第63項を参照)。
ディーラーの交代は、休憩やブラインドアップまでの90秒間は避けることをTDAは推奨する。ゲームの極めて重要な段階で、時間切れとなることを避けるためである。
9人テーブル(ナインハンデッド)および8人テーブル(エイトハンデッド)のイベントでは、5人プレイヤーの2テーブルから9人のファイナルテーブルへと統合される。7人テーブル(セブンハンデッド)および6人テーブル(シックスハンデッド)のイベントでは、4人プレイヤーの2テーブルから7人のファイナルテーブルへと統合する。
シングルペイヤーシステム(支払う人数を1人だけにするシステム)にすることを目的として、アンティファーストカルキュレーション(まずアンティを先に計算する)によるビッグブラインドアンティ形式(big blind ante: BBA)が推奨される。イベント進行に伴うアンティ減額はすべきではない(ファイナルテーブルを含む)。
ディーラーは、オールインではないベットの額をテーブルでベッティングが進行しているあいだ、常にアナウンスし続けるべきである。オールインベットは、そのときアクションを起こすべきプレイヤーからの要求があったときのみカウントされる。受け入れられたアクションのルール(第49項)は、ここでも継続して適用される。スケジュールとして組み込まれた、あるいはその場の判断によるカラーアップは、ベットのカウントしやすさを向上させる。
それが可能であれば、ディーラーはスプリットポットゲームでは、ポットを定期的にスタックにするべきである。チップをスタックにすることで、プレイヤーからの視認性を不明瞭にしたり、ゲーム進行の妨げになることは避けるべきである。
TDAルールおよび手順の中で取り上げられていない誤りを修復する目的で、TDは解決法を編み出すに当たってランダム性の概念を用いることがある。
Poker TDAは、2001年に設立されたポーカー業界の任意団体である。ポーカートーナメントルールの世界的な統一性を高めることが使命である。Poker TDAルールは、ハウスルールを補足する。ハウスルールとの競合があったときは、ハウスルールを適用する。
2段階のランダムや「ダブルブラインド」と呼ばれる方法により、新しい席の割り当てに不正のないような方法をとることができる。以下は例である。1) ブレイクするテーブルでプレイヤーにシートカードを見せたあと、それを裏向きにしてシャッフルし束にする。2) ディーラーは、プレイヤーに表向きでトランプを1枚ずつ配る。数字とスートの強いトランプを持っているプレイヤーから順番に、シートカードを配る。
このルールの意味することは次の通りである。少なくとも1人のプレイヤーがオールインをし、ほかのプレイヤーに、これ以上のベットアクションの機会がないとき、すべてのプレイヤーのホールカードが表向きにされる。ショーダウンとなるまで、カードの開示を遅らせることもなければ、メインポットのみしか関与していないプレイヤーのカードの開示を、サイドポットの決着がつくまで遅らせることもない。ショーダウンの前のどのストリートにおいても、ベットアクションの完了したときに、カードをすべて表向きにしたあと、残りのコミュニティーカードをめくることになる。
例1: NLHEで2人のプレイヤーが残っている。ターンにおいて、スタックの少ないプレイヤーAがオールインし、それをプレイヤーBにコールされた。このとき、AとB両方のダウンカードを表向きにする。そしてバーンをし、リバーを開き、ショーダウンに進む。
例2: NLHEで3人のプレイヤーが残っている。プリフロップで、1番ショートスタックのプレイヤーAがオールインし、プレイヤーBとCの2人にコールされた。このときはBとCの両方が、さらなるベットアクションの可能なチップを持っているため、カードはまだ表向きにしてはいけない。
フロップにおいてBとCがチェックをした。まだベットはできるため、カードは表向きにしない。
ターンでBがオールインをし、Cがコールした。このときこれ以上のベットアクションは起こらないため、A、B、Cのカードをすべて表向きにしなければいけない。バーンをして、リバーを開いて、ショーダウンに進まなければいけない。まず、BとCの2人のあいだのサイドポットを裁定し、そのあと、メインポットを与える。注意: BとCのあいだのサイドポットが裁定されるまで、Aの持つカードを裏向きにしておくということはない。
例3: NLHEで3人のプレイヤーが残っている。プリフロップで、1番ショートスタックのプレイヤーAが700をオールインしたところ、数千チップを残しているプレイヤーBとCのふたりにコールされた。BとCは、さらにベットアクションができるチップを持っているので、このときは、まだカードを表向きにしない。
フロップにおいて、BとCがチェックした。まだベットアクションができるため、カードは表向きにしない。
ターンにおいて、Bが1000をベット、Cがコールした。BとCの両者はどちらもまだチップを持っていて、リバーカードが残っているため、ベットアクションは可能な状況である。そのため、このときはまだカードを表向きにしない。
リバーにおいて、BとCがチェックした。ベットアクションは終了し、ハンドがショーダウンの段階となっているため、AとBとCはハンドを表向きにしなければいけない。まず初めに、BとCのあいだの2000のサイドポットを裁定する。そのあと、メインポットの裁定をする。注意: BとCのあいだのサイドポットが裁定されるまで、Aの持つカードを裏向きにしておくことはない。
例1: NLHEで3人のプレイヤーが残っている。リバーの段階で誰もベットやオールインをしていない状況である。ショーダウンで、プレイヤーAはカードを裏向きのまま投げた。ディーラーによって、それらカードはマックされた。プレイヤーBはカードを表向きにし、プレイヤーCは裏向きのままカードを前に押し出した。このときBは自分だけがカードをみせたことになるため、Cにハンドを見せるよう要求することができる。しかし、この要求はTDの裁量に委ねられる。なぜならば、リバーの段階でプレイヤーBはベットしておらず、ハンドをみる権利がないとみなされるためである。また、AとCは自分の持つハンドを見せておらず、またそのときにカードを持っていないため、ほかのプレイヤーにハンドの開示を求めることはできない。
例2: NLHEで4人のプレイヤーが残っている。リバーの段階でプレイヤーAは1000ベットし、Bはコールした。Cが5000にレイズしたあと、D、A、Bはそれぞれコールした。誰もオールインはしていない。Bがカードを表向きにし、トリップスをみせた。Dはすぐにカードを裏向きでマックし、それをディーラーがキルした。Cは裏向きでカードを押し出そうとした。このとき、AとBは、Cのハンドの開示を要求することができる。理由は以下の通りである。1) Cはリバーにおけるラストアグレッサーであり、AとBの2人は、Cのカードを見るために、コール分のお金を払っているため。2) AとBの2人は、自身のカードを所持しているためDは自身のカードを開示せずフォールドしたので、Cにハンド開示を要求する権利はない。この状況で、BがAのハンドの開示を要求するなどのほかの要求(ほかのコーラーのハンド開示要求)は、すべてTDの裁量に委ねられる。
ハンドが同じ価値を持つとき(例オマハ8のウィール(A2345))は、ポットを可能な限り平等に分けなければいけない。
例1: オマハハイローにおいて、2人のプレイヤーが、ハイとローの両方となる2-3-4-5-6のレインボーで勝ったとする。プレイヤーAは6のスペード、Bは6のクラブである。 ポットには、最小デノミまで分割された合計66のチップがある。このときの、公平な正しいチップの分配の仕方は、Aに33、Bに33である。誤っている分割方法は、次のようなものである。ハイに33、ローに33をわける。そしてハイにおいて残った1枚のチップを、マークの優劣によりAに与え、ローにおいても同様にマークの優劣で残った1枚をAに与える。このとき、Aが34、Bが32となってしまう。
例2: セブンカードスタッドハイローにおいて、2人のプレイヤーがハイとローの両方となる2-3-4-5-6で勝ったとする。プレイヤーAは6のスペード、Bは6のクラブである。 ポットには、最小デノミまで分割された合計66のチップがある。このときの、公平な正しいチップの分配の仕方は、Aに33、Bに33である。誤っている分割方法は、例1と同様である。
例1-A: ブラインドは、50-100。1, 2番シートがSB, BBである。プリフロップで、すべてのプレイヤーに最初のハンドが配られた。3番シート(UTG)がフォールド、4番シートがコールをして、SAが完了した。ここで5番シートのプレイヤーが、自身のハンドに1枚のカードしかないことに気が付いた。このとき、そのプレイヤーのハンドはデッドハンドとなる。すでに、SAが完了しているためである。このあとディーラーは、1枚バーンカードを出してからフロップを開く。カードを「元の順番へ戻す」ために2枚のカードをバーンすることはない。
例1-B: ブラインドは、50-100。1, 2番シートがSB, BBである。プリフロップで、すべてのプレイヤーに最初のハンドが配られた。3番シート(UTG)がフォールド、4番シートがコールをして、SAが完了した。ここで、5番シートのプレイヤーが、自身のハンドに3枚のカードがあることに気が付いた。このとき、そのプレイヤーのハンドはデッドハンドとなる。すでに、SAが完了しているためである。このあとディーラーは、1枚バーンカードを切って、フロップを開くことになる。5番シートの3枚目のカードをバーンカードとして切り、スタブからはバーンを使わないといった取り扱いをすることはない。
はっきりしないときや口頭による宣言とチップが矛盾しているとき、TDは、その場の状況と第1項を勘案して、そのベットを裁定する。追補例解を参照。
例1: リバーのヘッズアップにおいて、プレイヤーAが「フォーティトゥーサウザンド」と口頭で宣言しつつ、5000チップを1枚しか出さなかった。テーブル全員が、口頭の宣言を聞いたわけではなかった。プレイヤーBはコールしようと5000チップを出した。両者がハンドをみせ、Aがベストハンドだった。裁定の基準は様々複合している: 口頭の宣言が先にあったが必ずしも明確ではなかった。チップでは5000のベットが示されている。こうした不明確で矛盾している状況のとき、TDは第1項を適用してできる限り公正な裁定を行う。
この一説の意味するところは、いまのラウンドにおける、前のベッターによる最大の追加的なアクション、もしくは「適切な(額の)増分」を意味する。いまのラウンドとは、「いまのストリート」のことを意味し、ボードゲームであれば、例えば、プリフロップ、フロップ、ターン、リバーであり、7スタッドであれば、3rd-4th-5th-6th-7thストリートのことを意味する。
例1: NLHEで、ブラインドは100-200。ポストフロップにおいて、Aが600にオープンし、Bが1000を追加した1600のレイズをした。さらにCが、2000を増やした3600のリレイズをした。この状況でDがさらにレイズをしたいときは、彼は少なくとも「いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」であるCの2000という額を上乗せしなければいけない。そのためDは、3600に2000を加えた、少なくとも5600以上の額にしなければならない。注意しなければいけないのは、Dが最低でも上乗せしなければいけない額が、Cのベット額全体の3600ではなく、Cが上乗せした額の2000であるという点である。
例2: NLHEで、ブラインドは50-100。プリフロップにおいて、UTG にいるAが、トータル150(ベット額の増分は50)のオールインをした。つまり我々にとっては、100のブラインド分のベット額に加えて、50の分だけ増えたオールインを受けていることになる。どちらの額が大きいだろうか。100という額が、「いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」であるため、もしBがリレイズをしたいとき、少なくとも100を増分とした、250以上の額をトータルの額とするレイズをしなければならない。
例3: NLHEで、ブラインドは100-200。ターンにおいて、Aが300をベットした。Bは2枚の500チップで、合計1000のレイズ(増分は 700)をした。Cがコールをするときの額は1000 となる。Cがレイズをしたいとき、「いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」は、Bのレイズの増分である700である。そのため、Cの最小のレイズ額は、700を加えた合計1700となる。彼の最小レイズのための増分は、Bのベット額の1000ではないことに注意してほしい。
例4-A: NLHEで、ブラインドは25-50。Aは75を加えた合計125のレイズをした。これは、50に75を加えた額であることに注意したい。このストリートにおいて、さらにレイズをしたいとき、「いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」は75である。そして今Bは、そのミニマムのレイズ分(75)を加えた200のレイズをした。そしてCはさらに、300を加えた500のレイズをした。いまの状況は、最初のベット額の50に対して、75の額の増加が2回あったあと、300の額の増加があった。もしDがリレイズしたいとき、「レイズの増加額は少なくとも、いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」 である、300を加えなければならない。そのため、Dは少なくとも300を加えた合計800のレイズをしなければならない。
例4-B: 4-Aと同じブラインドであり、Dまで500で回ってきた部分は同じであるものの、Aによって450の増分を加えた500のレイズがあり、BとCがそれにコールをした状況である。このとき、ブラインドのベット額である、50とレイズの増額が450である状況となっている。「レイズの増加額は少なくとも、いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」 であるため、今回それはAの増分である450となる。Dがコールをしたいときは500のままであり、レイズをしたいときは、少なくとも450をそれに加えた、950以上のレイズをしなければならない。
A: ベットのとき、レイズやオールインを先に宣言することのない(最後のチップによるベットを含む)複数の同一単位のチップ(を投入すること)は、すべてのチップがコールをするために必要なとき、コールとみなす。B: すべてのチップがコールをするために必要ではないとき、たとえば最小単位のチップ1枚をのぞいたときにもコール額以上あるときには、1) プレイヤーの手元にチップが残っているときには、第47項の50%の基準に従って裁定する。2) プレイヤーの最後のチップを使ったベットであってオールインであったとき、50%の基準にたっしているかどうかで、オールインとなるかを裁定する。
例1: 1枚のチップを引いてもコールの額未満のときには、コールとみなされる。
1-A: フロップでプレイヤーAが1200ベットし、Bが宣言せずに1000を2枚出したとき。これは、 どちらかのチップをのぞくと1200を下回るため、コールとなる。
1-B: NLHEで、ブラインドは250-500。プリフロップでUTGがレイズ600?トータル1100。次のプレイヤーが宣言せずに500点1枚と1000点1枚を出した。これは、500点か1000点のチップをのぞくと1100を下回るため、コールとなる。
例2: 1-Bのとき、UTG+1のプレイヤーが宣言せずに1000を1枚と100を5枚出した。このとき、コール額以外の4枚の100は取りのぞかれ、1100のコール分を残す。さらに、第43項に従って、ミニマムレイズの増分は600の50%は300となる。このため、UTG+1はコール額の1100に300を加えた1400以上を出しているので、フルレイズの1700と判断される。UTG+1はレイズしなければならない。
例3: 例2と同じように、UTG+1のプレイヤーが宣言せずに1枚の1000と3枚の100を出した。このとき、1100をのぞいた増分は200で、ミニマムレイズ額の50%の300にたっしていないため、コールとなり、200はプレイヤーに返される。
例4: すべてのチップによる複数ベットA) もしすべてのチップがコールに必要なとき、プレイヤーの手元にチップが残っているときと同じように取り扱う(例1を参照)。B) 最小単位のチップ1枚を取りのぞいてもコール額以上のとき、そのベット額が50%のレイズ基準にたっしているかどうかに関わらず、そのプレイヤーはオールインをしたものとみなす。
例4-A: Aが1400にオープンし、(手元にまだ多くチップの残る)Bが宣言せずに1枚の1000チップと3枚の500チップを出した。このときは、強制的に2800のミニマムレイズとなる。なぜなら、50%の基準値である2100(1400+700)にたっしている額であるためである。
例4-B: 同じように1400へのオープンに対し、Bが1枚の1000チップと2枚の500チップを出した。このときはコールとなる。なぜなら、50%の基準値である2100には満たない額であるためである。注意: 4-A, 4-Bどちらの例でも、プレイヤーがすべてのチップを使ってそのベットを行ったとき、オールインとなる。
シチュエーション1: 前のベットのチップがコール額を満たさない状態でそのまま置かれているとき。
例: NLHEで、25-50、BBが2枚の25をポストしていて、ボタンが600へとレイズした(BBに550を上乗せ)ケース。
シチュエーション2: 前のチップがコール額を満たすとき、新たに加えられたチップは、第45項複数チップでのベットとなる。例: NLHEで、50-100、BBが1000チップ1枚をポストしている。プリフロップで700へとレイズ(BBに600上乗せ)。前の1000チップはそのレイズをカバーしているので、そこに新たなチップを足すことは第45項にしたがってすべてのチップがベットされていることになる。
シチュエーション3: 以前のチップがすべてさげられているとき:
1) 前のチップをすべてさげ、1枚のオーバーチップを出したときはコール(2枚の25チップをさげて、1枚の1000チップを出す)。
2) 前のチップをすべて一度さげ、複数枚の新しいチップを出したときは、第45項にしたがったベットとなる(2枚の25チップをさげて、2枚以上の新しいチップを出す)。
シチュエーション4: 前のチップが部分的にさげられたとき
1) 前のチップを部分的にさげること(1枚の25をさげ、別の25が残ったまま、新しいチップを加える)は、第45項にしたがって複数枚のチップによるベットとなる(もし50%にたっしていればレイズ、それ以外はコール)。
シチュエーション5: 上記にかかわらず、すべてのチップを合わせてから、押し出したり前に投げたりするジェスチャーは、第45項にしたがって、すべてのチップでベットする意図と解釈される可能性がある。
例1:複数のショートオールインが累積でフルレイズと同額にたっし、ベッティングがリオープンされるケース
NLHEで、ブラインドは50-100。ポストフロップ、Aが100のミニマムでオープンベット。
Bが125をオールイン、Cが125をコール。
Dがトータル200となるオールインをし、Eが200をコール。
Aにアクションが戻り、Aは合計100のレイズに直面している。100はフルレイズの額を満たしていて、Aに対してベッティングがリオープン(再オープン)されているため、Aはフォールド、コール、レイズのいずれも行うことができる。注目すべき点は、Bの増加分25とDの増加分75は、ともにそれだけではフルレイズに満たないが、それらが合わさることでフルレイズとなり、したがって「アクションが戻ってきたときに、少なくともフルレイズに直面しているプレイヤー」に対してベッティングがリオープンしていることである。
例1-A: 例1で最後にAが合計200をスムースコール(100を加えた)した。Cのアクションであるが、このとき、Cが直面しているのは75の増加分のみである。Cは前のアクションで125コールしていて、彼が直面しているのは合計200(75の増加分)である。Cがベッティングをリオープンするためには少なくとも合計225に直面していなくてはならない。75はフルレイズに満たないため、Cに対してはベッティングがリオープンされておらず、Cは75を加えてコールするか、フォールドすることができるが、レイズはできない。
例1-B: 例1で最後に、Aがミニマムレイズ(100)行い、Cに対して合計300へとベットした。Cはすでに125をコールしていて、コールにはCは175を加えることになる。175はフルレイズ額を越えている。したがってCはすでにアクションを起こしていて「アクションが戻ってきたときに、少なくともフルレイズに直面したプレイヤー」となるため、ベッティングがリオープンされていて、フォールド、コール、リレイズができる。
例2: 複数のショートオールインがあり、ミニマムレイズは最後の有効なフルベットまたはフルレイズであるとき。
NLHEで、ブラインドは50-100。ポストフロップでAが300へとオープン、Bが合計500をオールイン、Cが合計650をオールイン、Dが合計800をオールイン、Eは800をコール。プレイヤーFにとってのミニマムレイズはいくらか? オープンベット(300)が最初のミニマムレイズ額を設定する。どのプレイヤーも単独では300を越えるオールインとなっていないため、Fにとってのミニマムレイズは300のままである。Fは800をスムースコールするか、あるいは最低1100へとレイズできる。追補例解の第43項例2も参照。
例3: ショートオールインでの2つのシナリオ
NLHE、ブラインドは2000-4000。プリフロップでAがBBの4000をコール、Bがフォールドし、Cが合計7500となるオールイン(4000に対して3500の増加分)をした。SBまでフォールドで回り、SBもフォールド。
例3-A: まだアクションを起こしていないBBに対しては3500が上乗せされている。BBは、フォールド、3500をスムースコール、最低4000を加えた合計11500以上にレイズするのいずれかを選ぶことができる。BBはスムースコールし、アクションはAに移った。Aは一度アクションを起こしていて、フルレイズに満たない3500増加のベットに直面している。そのため、Aはフォールドか、3500を加えるコールしかできない。理由は「アクションが戻ってきたときに、少なくともフルベットに直面しているプレイヤー」になっていないためである。
例3-B: BBがミニマム(4000)の合計11500となるレイズをした。これはAに対して7500の増加分となっているため、フルミニマムレイズ額を越えていて、Aに対してはベッティングがリオープンされたため、Aはコール、フォールド、リレイズすることができる。
例1: NLHEで、ブラインドは1000-2000。ポストフロップで、プレイヤーAが2000をベットし、プレイヤーBは8000にレイズした。そのあと、プレイヤーCは宣言せずに2000を押し出した。Cはアンダーコールとなる。第51項-Bにより、Bはオープンしたプレイヤー(このときAである)ではなく、この状況ではマルチウェイである。TDの裁量により、Cは正しくコールするか、またはアンダーコールした2000を没収し、フォールドさせることもある。
例2: NLHEで、ブラインドは1000-2000。プリフロップでプレイヤーが4人残っている。プレイヤーAは8000をベットし、Bは宣言せずに2000を押し出した。第51項-Bにより、プレイヤーBはアンダーコールとなり、ベットされた8000を正しくコールしなければならない。
例3: NLHEで、ブラインドは1000-2000。プレイヤーAは、2000をベット、Bが8000にレイズした。Cは「コール」と宣言した。第51項-Aにより、プレイヤーCは8000を正しくコールしなければならない。
例1: ポットリミットオマハで、ブラインドは500-1000。ポストフロップで、ポットは合計10500であった。プレイヤーAはポット額をベットするために、ディーラーにポットのカウントを要求したところ、ディーラーは「9500」と答えた。Aは9500を出し、Bはフォールド、Cは9500をコールした。最初の誤ったベット額のあとで、SAが起こっている。この状況で、ディーラーが、Aのポットベット額を正しくは10500であることに気がついたとする。このとき、ディーラーが宣言した額は実際のポット額よりも低いものであり、SAが起こったあとであるため、9500のベットは拘束力を持つものとなり、あとから10500に訂正されることはない。
例2: 例1と同じ状況で、プレイヤーBがフォールドした直後に、ディーラーが正しい10500というポットベット額に気がついたとする。このとき、SAが起こっていないため、Aはベット額を10500に訂正しなければならない。
例3: ポットリミットオマハで、ブラインドは500-1000。ポストフロップで、ポットは合計10500であった。プレイヤーAはポット額をベットするために、ディーラーにポットのカウントを要求したところ、ディーラーは「11500」と答えた。Aは11500を出し、Bはフォールド、CとDはどちらも11500をコールした。ディーラーが、バーンを切り、次のカードを開く前に、Aのベットが適切でないオーバーベットであると気がついた。SAが起こったかどうかにはかかわらず、そのベット額が適切でないためにそのストリートにおいてコールしたすべてのプレイヤーのコール額を10500に減らす。もし、次のカードが開かれたとき、その誤った額は保たれてしまう。
例1: ブラインドは、50-100。ポストフロップで、シート3のプレイヤーが300にオープン、シート4がフォールドした。そして、シート5のアクションの順序となったところで、シート6が「800へレイズ」と宣言した。
ステップ1: 300のベットを受けている正しい順序(シート5)のプレイヤーまでアクションを戻す。
ステップ2: もし、シート5がコールもしくはフォールドのとき、300のベットのアクションは変化せず、シート6の順序から外れた 800へのレイズも拘束力を持つ。しかし、シート5がレイズ(例えば 、600へのレイズ)をしたときには、シート6にたどり着くアクションは300から600のベットへと変わる。アクションが変わったとき、800のチップはシート6に返され、そのプレイヤーは、600へのコール、少なくとも900以上へのレイズ、フォールドのアクションも起こすことができる。
例2: ブラインドは、50-100。ポストフロップで、シート3のプレイヤーがチェック、シート4もチェックした。そして、シート5にアクションに直面したところで、シート6が「チェック」と宣言した。
ステップ1: ベットを受けていない正しい順序(シート5)のプレイヤーまで、アクションを戻す。
ステップ2: もし、シート5がチェックをしたとき、チェックのアクションは変化せず、シート6の順序にそわないチェックは拘束力を持つ。しかし、シート5がベット(例えば300のベット)をしたとき、シート6にたどり着くアクションは、チェックから300のベットへと変化する。アクションが変わったとき、シート6は、300へのコール、少なくとも600以上へのレイズ、フォールドのどのアクションも起こすことができる。
順序にそわないアクションにより飛ばされたプレイヤーのアクションを起こす権利は守られなければならない。合理的な時間がたって、アクションを飛ばされたプレイヤーがSAまで指摘せずSAが左で起きたときは、その順序にそわないアクションは拘束力がある。飛ばされたハンドをどのように扱うかを決めるためには、フロアを呼ぶ。
例1: NLHEで、ブラインドが100-200。シート3のUTGが600にレイズ。シート4が飛ばされ、シート5がOOTとして、600をコール。シート6は少し考えフォールドした。そのとき、シート4の左に、チップを巻き込んだアクション中のプレイヤーは2人いる。この2人のチップは残しプレイヤーのアクションは、SAとみなす。(第36項)また、シート4は、飛ばされたことを申告し、ディーラーの注意を喚起するのに十分な時間を持っていた。シート5によるコールは、順序にそわない(ながらも)SAであるために、拘束力があり、シート6による順序にそわないフォールドも拘束力がある(第58項)。シート4のハンドの運命は、判断を下すためにフロアが呼ばれる。
例2: NLHEで、ブラインドが100-200。4人のプレイヤーがターンを見るために残っている。ディーラーがターンのカードを開いたあと、UTG(シート3)のプレイヤーが600をベットした。シート4のプレイヤーのアクションが飛ばされ、シート5のプレイヤーがチェック、シート6のプレイヤーが600のベットという、OOTが起きた。シート4のハンドの運命について裁定するために、フロアが呼ばれる。
日本語訳は、ジャパンオープンポーカーツアー株式会社が、NPO法人日本ポーカー協会の協賛のもと行った。 This translation was last updated on November 17, 2019. Translater: Munehiko Matsuyama & shotaimu / Editor: Naoki Watanabe & Takaaki Ogasahara / Supervisor: Tatsumune Miyata
Poker Tournament Directors Association(https://www.pokertda.com/)より転載